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高速道路のユリ

2020年07月28日

   九州から中部地方では今年も大雨となり、またもや大きな被害が出ています。今年の梅雨は本当に長雨で、東北地方はまだ明ける気配がありません。
 例年であればそろそろ梅雨明けし、夏休みでプールに行く子供たちのにぎやかな声が聞こえてくる頃です。梅雨も明けず、新型コロナウィルスのため夏休みも始まらず、まったく気の滅入る年になってしまいました。
 梅雨明け―夏休み―と続いて連想するのがヤマユリです。ちょうど今、山で花を開いている頃です。地味な花の多い山野草のなかでは、ヤマユリは格別に大きな花を咲かせ、強い芳香を漂わせます。
 生まれも育ちも東北地方なので、ヤマユリは見慣れた花ですが、関西出身の知人に「関西ではユリと言えばササユリで、ヤマユリは見られない」と教えられ驚いたことがあります。調べてみるとヤマユリは日本原産種で、地域ももともとは本州の東北から関東に限定していたようです。山奥ではなく、開けた日当たりのいい丘陵地を好むようですが、どうも昔ほど見られなくなっているような気がします。
 近年の積雪量の減少に合わせて、イノシシの生息域が広がっています。イノシシがユリ根を食べるので、食害の影響があるのではないかと思いますがよくわかりません。
 そんな中で目立つのが高速道路の切土法面です。東北自動車道では、宮城県の大和インターチェンジから一関インターチェンジの間は、見事な群生地となっています。仕事で高速道路を走っていてもついつい見とれてしまいます。
 高速道路内なので、ユリ根を掘る人もおらず、イノシシも入ってこないからなのでしょう。また、NEXCOの方も、注意してユリを残して草刈りをしてくれています。ありがたいことです。貴重な群生地を大事に残していってほしいものです。

    高速道路では写真が取れないので、近所で咲いていたヤマユリです。