新年あけましておめでとうございます。
今年の4月までは何でも令和初めてですので、令和初めての新年のご挨拶となります。
昨年は、社員、協力会社の皆さんの努力で事故らしい事故もなく無事業務を終えることができました。1月6日に、二柱神社の神職をお迎えし、今年一年無事故、無災害で仕事ができるよう、全員で安全を祈願しました。

安全祈願祭
二柱神社は、市名坂、七北田の鎮守のお社です。初詣にも行ってきました。連年のように災害が続いており、宮城県でも昨年は台風19号による大きな被害がありましたが、今年は何とか災害のない、穏やかな一年でありますようにとお祈りしてきたところです。

二柱神社の初詣
当社にもさまざまな課題があります。すべていっぺんに解決できるわけではないので、ひとつひとつクリアしていけるように社員一同頑張っていきたいと思います。皆さん今年もよろしくお願いします。また、引き続きこのブログでも防災についてのいろいろな話題や資料、会社の考え方について書いていきたいと思っています。少しでも興味を持ち、考えていだたければ幸いです。
遅まきながら、全地連(全国地質調査業協会連合会)主催の2018年度応用地形判読士2次試験の問題を見てみました。この問題で取り上げられた地形について感想を述べます。
問題は、国土地理院の旧版地形図「祇園」図幅(昭和23年8月30日発行)の部分について、考えられる災害の種類とその原因を記述せよ、というものです(他にも問題はあります)。この地形図を見ると、地形・地質を勉強している人はピンとくるものがあります。「ブラタモリ」のタモリさんだと頭の上に【!】マークが出て、林田アナウンサーだと【?】マークがピッと出るところですね。
問題の範囲はもっと広いのですが、画面の都合上一部のみを掲載してあります。
同じ場所を現在の地理院地図で見ると次のようになります。
現在の地形図では住宅地が広く造成され、元の地形がわかりにくくなっていますが、旧版地形図ではよくわかります。
図面右下を流れているのは、中国山地から流下し広島市で瀬戸内海にそそぐ太田川です。狭く切り取ったこの図面ではわかりませんが、太田川は氾濫原を東側に寄って流れています。これは西側の山地(阿武山側)からの土砂供給量が多く、太田川を東に押し出しているためです。また、太田川西側の地域には太田川旧河道が何本もあり荒地になっていること、田圃が堤防で囲まれていること(川が堤防で囲まれているのではない)から、太田川は土砂供給量の多い川であり、何度も氾濫をくり返していることを示しています。
阿武山から鳥越峠に続く西側山地の山麓(赤線で囲った部分)の地形を沖積錐(ちゅうせきすい)と呼びます。この地形は、急勾配の谷の出口で土石流の堆積が繰り返されてできた地形で、土石流扇状地とも呼ばれます。つまり豪雨のたびに土石流が発生し、大小乱雑な岩から土砂が堆積しているということです。
旧版地形図では家屋が少ないのは当然ですが、八木村の植竹、小原、上楽地といった集落は沖積錐の末端部、平地との境に作られています。これは太田川の氾濫と阿武山側からの土石流を避けられるぎりぎりのところを選んで住んでいたことを示しています。
さて、改めて現在の地形図を見ると、地名が安佐南区八木となっています。ここが平成26年8月豪雨で74名の方が亡くなった土石流災害があった地域のひとつであることは、まだ記憶に新しいところです。また、4年後の平成30年西日本豪雨でも土石流被害にあっています。宅地は沖積錐全体を覆い、太田川付近も氾濫原全体が住宅地になっています。
平成26年8月広島市安佐南区八木地区での被害状況:写真 国土交通省
広島県は広く花崗岩とその風化土であるマサ土に覆われています。この地域も同様です。瀬戸内海の白砂青松の景観を作った元ですね。一方でマサ土は浸食に弱く土砂災害を起こしやすいことで知られています。また、花崗岩の風化は他の岩石と異なり、風化土のなかに巨大な残留礫を残すという特徴があり、土石流の被害を大きくすることがあります。
平成26年に起こった土石流は、それまでも繰り返し起きていたことは間違いありません。そのことを旧版地形図は明瞭に示しています。このことが表題に書いた【地形という災害の記録】です。そしてかつてこの地に住んでいた人たちは、このことを理解し避ける工夫をしてきたことを示唆しています。
私たちの仕事は受注業務であり、クライアント(発注者)の要請にしたがって仕事を行います。しかしそれだけにとどまらず、その場所にどのような災害の危険性があるのかを発信していく必要があります。大きな自然災害が連続している昨今ではなおさらです。業界全体で取り組んでいくべき課題ではないでしょうか。
まもなく12月、今年もあと1か月となりました。12月と言えば年末ジャンボ宝くじ、すでに11月20日に全国一斉発売になっています。楽しみに買っている人も多いかと思います。今は1等・前後賞合わせて10億円、すごいですね。ところでまだ年末ジャンボが3億円だったころのお話です。
同業のとある会社を訪ねた時のことです。打ち合わせが終わって雑談になり、年末ジャンボ宝くじに当たったらどうするかという話題になりました。いろんな話が出るなかで、その会社の専務だったか部長だったか、とにかくエライ人が「3億円当たったらおれは仕事を辞めるな。別に楽しくてやっているわけじゃないからね」と言い出して、まわりの人たちがすっかりしらけた雰囲気になってしまいました。
その話を聞いていて「なんたる男だ!」と私はすっかり腹を立て、面白くない気分でその会社を後にしました。
正直な気持ちなのかもしれませんが、会社の最高幹部たる人間が部下を前にして「別にこの仕事が楽しいわけじゃない」などと言うことが許されるでしょうか。上司が自分の仕事を面白いと思わなければ、部下が面白いと思うはずがありません。
会社員は働くことによってその対価としての給料をもらい、それで自分と家族の生活を維持しているのですから、「給料さえもらえればいい」とも言えます。また、会社の方も「社員が面白いと思おうがつまらないと思おうが、やるべき仕事さえやってもらえばかまわない」という考え方もあるでしょう。しかし、それで会社が発展するでしょうか?また、社員も一人の社会人として成長していくでしょうか?
自分の仕事が社会に必要とされている、また会社に必要とされている、という意義を感じることは極めて重要なことであり、働くことは、その人が誇りを持って生きていくため必須のことだと私は思います。
「ボーリングの面白さ」でも書きましたが、私は長い間この仕事をやってきて、面白い仕事だなあと感じています。もちろん現場での作業は、夏の暑さや冬の寒さという自然条件の厳しさがあり、重機やクレーンを使えない仮設条件の難しい現場では力仕事も出てきます。しかし、厳しい条件の中でいかに効率的に仕事を進めるのか、複雑な地質条件で早くきれいに掘削するにはどうするのか、頭を悩ます仕事こそ面白いものです。また、目的に沿った調査をどう進めるのか検討するには、目的とする工事についての理解も必要であり、そのために視野を広げる勉強も必要になってきます。これもまた面白さにつながります。
ボーリング調査は、土木、建築のほとんどすべての工事に必須なものです。道路、橋、トンネル、堤防、ビルなど、設計のためには必ず最初に行わなければなりません。これがなければ何も作れないといっても過言ではない、本当に大事な仕事だなあとつくづく感じます。もちろんこれはボーリングに限ったことではなく、どんな仕事にも共通することです。
社長や最高幹部は、ただ毎日の業務を進め、売り上げを上げ利益を出すだけが仕事ではありません。社員に仕事の意義や面白さ、会社の夢や希望を伝えるという重要な責務を負っているのです。最初の話で出てきたエライ人は、仕事ができると評判の人でしたが、そうした視点では幹部として失格と言わざるをえません。
ところで、では私が3億円を当てたらどうするか?軽くて簡単に扱えて、能力が極めて高く、しかも壊れにくい画期的なボーリングマシンの開発に使いたいのですが、難しいだろうなあ・・・。
10月12日から13日にかけて東日本を縦断した台風19号は、ご存じのとおり大変大きな被害をもたらしました。10月28日時点の総務省消防庁の発表によると、死者行方不明者100名、住宅被害は全半壊4,008棟、床上浸水3万4,002棟、床下浸水3万6,565棟、同じく10月28日の国土交通省発表によると、7県20水系71河川、計140箇所で堤防が決壊、17都県で決壊、越水による浸水被害が発生したと報告されています。
昨年7月の西日本豪雨に比べ、死者行方不明者こそ少なかったものの、令和になって初めての大型水害は、過去数十年間で最も広い範囲に被害をもたらしました。前回のブログ「忘れることについて」で、治水の重要性を忘れないことが必要と書きましたが、忘れるどころか、強烈な記憶を残すものになってしまいました。お亡くなりになった皆様のご冥福をお祈りいたします。
浸水した丸森町中心部(写真:国土交通省)
宮城県内でも、丸森町、大郷町の被害が大きく報じられ、現在堤防等の仮復旧が行われています。また、これからの復旧方針を決める災害査定のための調査も始まり、当社も対応を求められています。通常業務も繁忙期に入っており、どこまでできるかわかりませんが、できるだけの対応をしなければと思っています。
被害が広く大きく、その種類、要因もさまざまであり、これから個々の被害が分析され、国土交通省を中心にそれぞれへの対応策が検討、決定されていくことと思います。
個々の被害は別にして、これだけ多数の堤防が決壊したこと、特に千曲川(信濃川)、阿武隈川という日本を代表する大河川が破堤したとことは大きな衝撃です。被害の広さという点では、終戦直後のカスリーン台風以来ではないかと感じます。その背景には多くの方が指摘しているとおり、地球温暖化による海水温の上昇があることは間違いないでしょう。台風19号はスーパー台風と言われましたが、これからはこれが特別なものではなく、繰り返しやって来るものと見なければなりません。
表題で「台風19号が残したもの」と書きましたが、それは大きな被害だけでなく、これからのわが国の国土のあり方、防災のあり方を、温暖化という変化に対応しどう変えていくのかという宿題ではないかと思います。
防災対策として、堤防やダム等のハード面の対策だけでなく、ソフト対策の重要性が強調されていますが、その基礎となるのは各自治体で作成したハザードマップです。ところで、40代より若い人たちに話を聞くと、高校で「地学」を勉強しなかったという人がほとんどです。高校の先生に話を聞く機会もありますが、「地学」の授業はあまりやられていないようです。自分が住んでいるところがどういう場所なのか、段丘なのか扇状地なのか、あるいは蛇行原なのか、またそれらの地形種はどのような地形営力でできたものなのか、といったハザードマップを理解するための基礎が学ばれていないのです。
宮城県内には多賀城高校に災害科学科があり、特色ある教育がなされていますが、ここまでとは言わないまでも、地学教育により自然災害の基礎を理解しておくことは防災のために大変重要なことではないかと思います。教育行政の方にもぜひ検討していただきたいところです
さる10月9日、宮城県庁において「令和元年度宮城県農政部優良建設関連業務表彰及び優秀技術者表彰式」が行われ、地質調査部門で、弊社と管理技術者の後村和貴が表彰されました。
表彰対象になった業務は、宮城県大河原地方振興事務所様発注の「柳田峠農道外地質調査業務」でした。
弊社が宮城県の優良建設関連業務の表彰を受けるのは、一昨年以来となります。今後もさらなる技術の向上を図り、また表彰を受けられるよう社員一同頑張っていきたいと思います。また、管理技術者の後村が優秀技術者の表彰を受けましたが、これも社員および協力会社の皆様の現場における努力のたまものと考えております。改めて厚く御礼申し上げます。

